普段は、この世の終わりみたいな孤独感たっぷりの森の奥にこもって作業をして
いるので、たまには人の営みを感じる里に出てきて作業をしてみたくなる。
で、今日はいの町が管理している農道や林道などの道刈り。
道路沿いの除草は傾斜がないので歩いても楽だし、滑ったりもしないので安全。
雨の日にはもってこいの作業だ。
とは言え雨の日は、泥水や草の切りくずが顔面に飛んできて誰が誰やら判別しに
くいほどになるし、服も底なし沼から這い出て来たくらい汚れる。
潔癖症の人なら気絶するレベルだ。
それでも嫌なことばかりではない。
汚れれば汚れるほど早くお家に帰ってお風呂に浸かる喜びが倍増する。
ささやかな喜びではあるが、ビールやお酒が飲めない僕にとって、こうした
喜びを他にもいくつか見つけて、日々のしんどい労働から解放されている。
